〜ベンチ編〜からの続きです。
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『敗れた三連覇の夢〜試合編〜』


さあ、いよいよ試合が始まります。

2014-07-29-17-57-51

 

 
決勝 中村学園VS三重高
 

 
1番手
百田・天満(中村)― 西岡・橋本(三重)

 
緊迫した空気の中、試合が始まりました。中村の後衛・百田は、ラケットが思うように振り切れません。対する三重の後衛・西岡選手は繊細なコントロールで、前衛の動きを交わして行きます。ペアリングの良さも発揮し、中村の百田・天満ペアは劣勢に追い込まれていきます。個人で優勝を飾った三重の西岡・橋本ペアの前に、ゲームカウント1で敗れます。
 
天満選手コメント「後衛の西岡さんは、ボールが深く粘り強かったし、前衛を使った展開が多かった。前衛の橋本さんも、守りが固く出るタイミングがよかった。」
 
(結果)
百田・天満(中村)1―④ 西岡・橋本(三重)
 

 
 
2番手
齋藤・淺原(中村)―森下・糸川(三重)

 
中村の後衛・齋藤はこの日メンバーの中で一番調子がよかったと言えるほどラケットが振れていました。ストロークの中でセンターに打ち込むボールが効き、相手を攻めていきます。

対する三重高の森下・糸川ペアも粘り強く、攻められたボールにも食らいつきます。ゲームカウント3−2の中村リードでしたが、三重の粘りあるプレーに集中が欠ける点があったか、ミスが重なり、ファイナルゲームへ。



〜チェンジコート中のベンチの様子〜

監督から熱いアドバイスが入ります。

ミスを重ねた淺原に対し
「1本のミスから崩れるのか?ミスをしても切り替えなさい。…なんだその目は。」

1本のミスから崩れた淺原に対し、この決勝という場でもメンタル面への厳しい指導が入ります。
 
追いついた三重は押せ押せのムード。そのままファイナルへ。

しかし、先生の厳しい言葉で切り替えられたか、淺原の動きが良くなり、スマッシュにボレー、と次々に決まっていきます。三重の流れが徐々に中村に。


齋藤コメント「ファイナルは、とても緊張していましたが、ペアと握手をする時に手を強く握り、目をしっかり見て、声を大きく出すことで、その緊張を吹き飛ばすようにしていました。時々応援してくれるみんなの顔を見て力をもらっていました。」
 
齋藤・淺原④―3森下・糸川
     F7−3
 


1番は三重。
2番は中村がとり、勝負は3番へ。
選抜と同じ対戦での3番勝負です。
 


3番手
寺戸・中田―加藤・藤本

 
中村の前衛・中田は1年時に皇后杯でベスト4に入った選手。一年の頃から大将(若田・東芝姫路)と組み、圧倒されていた二年前が懐かしく感じます。大舞台のプレッシャーを最も多く経験してきた選手。後ろにいる後輩を引っ張っていけるのか。
 
三重の後衛・加藤選手は勢いよくラケットを振り抜きます。インターハイ決勝の3番勝負とは感じさせない思い切ったプレー。
攻める三重に、中村の後衛・寺戸は自分のプレーをなかなか出せません。苦しい所で前衛に行ってしまい、逆にポイントを重ねられて行きます。勢いに乗った三重の攻撃は止まりません。あっと言う間にゲームカウント0−3に。
 
万事休すなのか…。そんな空気が流れた時でした。

チェンジコートで帰って来たときの中田の表情が明るい。ベンチからも「笑顔でいけー!」という言葉が飛びかいます。

何か起こるのではないだろうか?中田の表情を見てそんな予感を感じました。


4ゲーム目に入り、その中田の攻撃力が光ります。自分でポイントを奪い、後衛・寺戸を引っ張っていきます。

1−0、2−0、3−0…と、
なんと7ポイントの連取!!!

ゲームカウント0−3から、一気にファイナルゲームまで追いつきます。
 




しかし、ここからが本当の勝負でした。
 





三重の後衛・加藤選手は、ここ一番の勝負強さで力強いボールを打ち込んできます。開き直るというのは、まさにこのプレーのことでしょう。意思がこもった締まったボールで、逃げる事無く勝負を挑んできます。中村も攻撃しますが、加藤選手のスピードボールに押されていきます。

 
藤原マネージャーコメント「寺戸・中田は最後まで中村のテニスをしてくれたが、ここ1本と言う時に自分の意思でラケットを振り切る部分が、もう一つ足りなかったと思う。」
 

寺戸・中田3―④加藤・藤本
   F3−7
 

 
三連覇の夢が途切れた瞬間でした。

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1、2年時に日本一の喜びを味わっている彼女たちにとって、目の前でライバルの喜ぶ姿をみることほど悔しいことはなかったでしょう。

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その背中が悔しさを物語っていました。





続く…次で最終回!