連載記事の最終話です。

以前の記事はこちら↓↓↓
①ベンチ編
http://yurimotoyama.ldblog.jp/archives/39456747.html
②試合編
http://yurimotoyama.ldblog.jp/archives/39505746.html



『敗れた三連覇の夢〜最終回・想い編』


全国の決勝戦にふさわしい素晴らしい戦いを見せてくれた2校に温かい拍手が送られました。両者のプレーは見る人の心に凄み、記憶に残るものとなったことでしょう。

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試合後中村のメンバーに話しを聞いてみました。

キャプテンの天満は「大将であり、キャプテンであり、今までの先輩方でそれを両立してきた先輩はたくさんいるのに、自分は何も出来ず、結果も悪くて尚更悔しくて情けない気持ちがたくさんあります…」と、本音を語ってくれました。

3番勝負を戦った中田は肩を落とし、「すみません…」と、ただ一言つぶやきました。



全国でも「勝たなければならない」中で3年間過ごしてきた彼女たちにとっては、準優勝という結果は満足いくものではなく、誇れるものではないのでしょう。先輩たちにあって自分たちに無かったものを探す作業は、とても辛いと思います。


でも、振り返ってみれば、その過程にこそ素晴らしい学びが詰まっていて、決して恥じることではないと気付ける時が必ずくるから。最高のライバルと最高の舞台で繰り広げた熱戦は人生の大きな糧になってくれる。



千羽鶴に込めた願いは叶わなかったけど、インターハイ三連覇という中村学園にとって初めての歴史に挑んでくれた後輩たちに、感謝を。心からおつかれさま。

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〜あとがき〜『応援する立場として』

 夏に母校を追いかける記事を書いて3回目になりました。ソフトテニスで広く仕事をさせて頂いている私が、母校に密着をする記事を発信すると「偏っている、立場を考えてもっと平等に。」とおっしゃる方もいます。それでも「勝利を目指して取り組む、選手の苦悩を皆さんに知ってほしい」という思いがありました。

夢を追う過程については、いろんな言葉で表現出来ますが、あえて「苦悩」という言葉を使うのは、やはり選手は日々苦しみ、自分の弱さに向き合うことで悩み、そして努力を繰り返しています。結果を求めれば求めるほどに、です。

私自身、現役の時は日本一を夢見て練習をする中で、練習がきつくて吐いたり、朝起きると「また一日が始まる…」と、怖くて手が震えるような日々。苦しく、悩んだ3年間でした。

このような経験は、私だけじゃなく後輩たちもしているでしょうし、中村学園だけじゃなく他の学校で経験した選手はたくさんいると思います。日本を代表して闘うような選手たちは、もっともっと見えないプレッシャーと闘っていると思います。

ソフトテニスの場合、ファンは経験者が多いですから、勝つ事の大変さを知っているし、応援する側も良心的なものばかりです。でも、他の競技を見ていると、いつの間にか結果重視で、その裏にある選手たちの気持ちや苦悩を感じることを忘れている場面を見ることがあります。

結果が恩返しになると考えるのは、選手や監督、スタッフ陣だけで良いと私は思っています。応援側が拍手を送るべきなのは、選手が努力を重ねて過ごしてきた日々であり、その苦しみに勝ち、大舞台に立って全力でパフォーマンスをしようとする姿をリスペクトすべきだと感じています。負けた時の批判が改善への提案や、誠意のある声であれば受け止めるべきでしょうが、内容のない批判は悪口と変わらない。批判の中にも「質」を考えたい。

 今年、4年に1度のアジア競技大会が韓国で行われます。世界大会で2連覇中のソフトテニス日本代表は、金メダルが期待されます。でも、最大のライバルである韓国は自国開催。かなりの強化をしてくるでしょう。厳しい戦いになることは多くの方が感じていると思います。
もちろん私も日本代表が金メダルを持って日本に帰ってくることを望みます。でも、そのメダルが何色であったって、無くったって「お疲れさまでした、日本を背負って闘ってくれてありがとう。」と言いたい。

繰り返しになりますが、「勝つ」という事は大変なことです。だから応援したいし、見守っていたいと思う。それは、瞬間的ではなく、半永久的に、本物の応援者でありたいと望みます。


今回は母校の記事をお届けしましたが、彼女たちが体験した悔しさが選手の「勝ちに対する想い」として伝わっていると幸いです。

勝たなければ何の意味も無いと自分を追い込み続ける選手たち。そこにあるのは、間違いなく「輝き」であって、どんな結果でも「恥」ではない。彼女たちにとっては、心からの笑顔が少ない夏になっているかもしれません。でも、前を見て進んで行ってもらいたい。そして、より長くテニスを愛していって欲しい。



スポーツをどう捉え、モラルを高め、若者に伝え育てていくかは、大人の責任でもあります。教育に長く深く関わってきたソフトテニスという競技が、人の心に何を残し、これからの社会でどんな役割を担えるのか。私自身、もっと考えていきたいと思います。






最後に…
インターハイを見に来ていた千葉のジュニアスクール『ふれあいクラブ』の生徒さんたち。高校生の真剣な姿は、子供たちの目にどう映ったのでしょうか。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


『敗れた三連覇の夢』〜終〜


本山友理